ボイドスラブ(中空ボイドスラブ)工法とは?
ボイドスラブ工法とは、通常のスラブ厚さ200mm前後よりもスラブを厚くし、
コンクリート床スラブに円筒状の穴をあけて中空にし、小梁をなくす工法のことです。
ボイドスラブ工法の特徴としてスラブ厚さが通常スラブよりも厚くなっています。
ボイドスラブ工法のスラブ厚さは250~350mm程度となっており、従来のスラブに比べ、剛性・強度に優れているといわれています。
遮音性は、スラブが厚いので従来スラブよりも高いとメーカーはしています。
しかし実際は中が空洞であり、又、小梁がないため、音の太鼓現象(スラブ面積に比例)も大きくなるのではないか?との疑問の声もあります。
一般的には【ボイドスラブ工法のスラブ厚さ ×0.8】=【従来スラブ厚さ】と考えられています。
例えば、ボイドスラブ工法のスラブ厚さ250mmは「250×0.8=200」となり、通常スラブ200mmと同等となります。
ちなみに、ボイドスラブの構築方法は様々な方法が存在しますが、例えば、建設会社大手の大成建設さんの特許出願明細書(特開2015-175196号)によると、
●スラブ内に合板を箱状に形成して捨て型枠として配置し、この状態でコンクリートの打設を行うことで、スラブの内部に中空部を構築する方法(特開2003-328487号参照)。
●空調用配管を型枠材と兼ねて配置し、この状態でコンクリートの打設を行うことで、この空調用配管の内部を中空部とする方法(特開2008-133688号参照)。
●スラブ内に立方体や球体などの無垢の発泡スチロール材を捨て型枠として配置し、この状態でコンクリートの打設を行うことで、スラブの内部に中空部を構築する方法。
等が存在します。
ボイドスラブ工法の最大の特徴とは?
↓は管理人ラガーが以前施工図をかいた現場です。
中空ボイドスラブをはじめて見たときは驚きました。
ボイドスラブ工法の最大の特徴とはやはり・・・
“小梁がない”ことです。
スラブ全体が梁の役目を果たしている為、小梁をなくしても強度が保てるのです。
小梁をなくすことにより天井面が開放的で美しいレイアウトを可能にします。
そのため、購入者にも評判がよく、ボイドスラブ工法のマンションは増えつつあります。
しかし、中空ボイドスラブ工法のデメリットとして、スラブを厚くすることにより階高を従来工法よりも高くする必要があり、コストアップにつながることもあります。
従来工法のマンションよりもボイドスラブ工法のマンションの販売価格が若干高いのはそのためです。
パンフレットで中空ボイドスラブ工法かどうか確認してみましょう。
ちなみに、ボイドスラブとは、はじめに書いたように、コンクリート床スラブに円筒状の穴をあけて中空にし、中に空洞(ボイド)がある床のことであり、二重床とは異なります。
ボイドの材料としては、棒状・球状の発砲スチロールを使用したり、管状の金属を使用したりと、各社メーカーや工法によりいろいろなものが存在します。
どのような中空ボイドスラブ工法が、検討中のマンションに使用されているか気になる場合は、問い合わせてみて、「ボイドスラブ ○○(材料名など)」で検索し、各社の説明や画像などを詳細に調べてみるのも参考になると思います。