用途地域のチェックは、隣接の用途地域も忘れずに

このテーマはマンション購入重要ポイントは「用途地域」です。

「用途地域」とは各地域ごとに立地・用途規制を行うことにより、
地域の生活環境を一定に守るためにあります。

例えば低層住宅しかない閑静な住宅地に高層マンションや巨大な工場、
風俗店などが何の規制もなしに建っていったらどうでしょうか？

簡単に言えば、
駅前には会社やお店、都市部には高層ビル、

住宅地には低層住宅、工場地帯は当然工場、

を中心に建てる。

ちょっと乱暴ですがこんな感じでしょうか。

当然、用途地域は当サイトでも説明していますが、立地条件に大きく関係します。

マンションを購入する際には「用途地域」には注意が必要なのです。

 

用途地域は全部で１２種類

用途地域は12種類に分かれています。

①「第一種低層住居専用地域」 ②「第二種低層住居専用地域」 ③「第一種中高層住居専用地域」 ④「第二種中高層住居専用地域」 ⑤「第一種住居地域」 ⑥「第二種住居地域」 ⑦「準住居地域」 ⑧「近隣商業地域」 ⑨「商業地域」 ⑩「準工業地域」 ⑪「工業地域」 ⑫「工業専用地域」

この中で「工業専用地域」のみはマンションは建てることができませんので除外します。

代表的な用途地域を簡単に説明すると

「第一種低層住居専用地域」　 ●12の用途地域の中で最も規制が厳しい地域。 ●容積率・建設物の高さ制限・日影規制も厳しく、 ●最も閑静な住宅地を望む人 には住みやすい場所です。 ●ただし、高さ制限が厳しい為、せいぜい3階建て程度のマンションしか建ちません。

 

「第一種中高層住居専用地域」　 ●容積率・高さ制限が比較的緩い為、中高層マンションが比較的多く建っている地域です。 ●「第一種低層住居専用地域」では建てることのできない中規模程度の店舗(500㎡以下）の 建設もできます。

 

「第一種住居地域」 ●容積率・高さ制限が緩いことに加え、3000㎡までの店舗等の住宅以外の建築物も建てることが可能です。 ●日本で一番多い地域でもあります。

 

「商業地域」 ●その名の通り主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域。容積率・高さ制限が緩く、日影規制もありません。 ●一部の工場等を除きほとんどの用途の建物が建てることが可能です。 ●主に駅前や都市部に指定されていることが多くなっており、便利で地価も高めですが、”閑静な”とか”自然な”からは遠いイメージ。

 

「工業地域」

●工業地域ですが、マンション建設は可能です。 ●日影規制はなく、様々な用途の建物が建設できません。（病院・学校等)

 

「住居系」用途地域は7種類。住環境を優先します

 

この１２種類の用途地域の中でも住居系用途地域は、住環境を優先し、

それ以外の建物の建築を制限した地域となり、下記の7種類になります。

①第一種低層住居専用地域
②第二種低層住居専用地域
③第一種中高層住居専用地域
④第二種中高層住居専用地域
⑤第一種住居地域
⑥第二種住居地域
⑦準住居地域となります。

番号が大きいほど制限が緩く、番号が小さいほど制限が厳しいです。

一軒家の閑静な住宅街は、番号が小さい方の用途地域が多いのではないでしょうか。

マンションに住みたい！でも閑静なところがいい！

という人は「第一種低層住居専用地域」がおすすめになりますが、

この地域は、低層マンションしか建てることができない為、めったにおめにかかることはできません。

また、デメリットとしては規制によりコンビニ・スーパー等の各種店舗ができない、
もしくは、できにくい地域の為、利便性に関しては悪くなる覚悟がいるでしょう。

当然、駅前は指定されませんから交通の利便性も期待できません。

閑静な住宅街に住みたい方や、車を頻繁に使う方ならおすすめです。

 

駅前・駅近のデメリット

僕は、
“駅前・駅近といった土地条件の物権”
が好きでオススメしたいのですが、もちろんデメリットもあります。

それが駅前は大体「商業地域」に指定されているということです。

商業地域はほとんどの用途の建築物を建てることが可能な地域です。
(駅前でお店や高層ビルを建ててはいけないっておかしいですものね）
風俗店・大型スーパー・病院等・・・・・・

購入した時には周辺になくても将来どうなるかは誰にもわかりません

また、「日影規制」がない土地条件であるのも大きな特徴です。

購入したマンションの目の前に将来、巨大な高層マンションが建って
太陽が入らなくなる可能性もあります。

ですから駅前に住むメリットを重視して購入される方は、
このようなデメリットを有するで土地条件あることも理解してほしいと思います。

「第一種中高層住居専用地域」と「第一種住居地域」は、

駅前以外では一番お目にかかる地域で、

「商業地域」よりは規制が厳しい地域です。

駅前以外のマンションの大部分がこの土地条件の地域にあてはまります。

 

 

最後に

「工業地域」は商業地域と同様、日影規制がないことに加え、

学校や病院等、生活に欠かせない建設物も建てることができません。

「第一種低層住居専用地域」は、

閑静で高さ制限、用途制限、日影規制があるが、

利便性は期待できない。

「商業地域」が規制は緩く、

各種用途の建物が建ち、

日影規制もないが駅から近く利便性が高い。

 

「工業地域」に関しては駅前にあればよいのですが、

自分としてはあまりメリットが見つかららず、

マンションを購入するのに一番利点がなさそうだなぁと一昔前までは思っていました。

ただ、近年、都心で人気のベイエリアにあるタワーマンションの多くは、

工業地域を含む工業系地域に建設されていると言われていますし、

その方面の整備されてきた利便性とか、ベイエリア地域の夜景とか、

そのエリアにしかない何かに利点を感じる方には

良いのかもしれませんね。

 

マンションの物件概要をチェック

今からマンションを購入される方は、

チラシやマンションホームページに掲載されている 「物件概要」（の用途地域の部分）をチェックしください。

自分が生活している地域がどのような規制があるか知っておくことは大切なことだと思います。

もしチラシはホームページに記載がない場合（そんなことないとは思いますが・・・）は、
売主が隠したがっている可能性が非常に高いといえます。
販売員に直接聞いて見るとよいでしょう。

 

隣接地域の用途地域もチェックすべし

 

用途地域は、細かく入り込んでいることも多く、住居系ばかりがかたまっているとも限りません。

特に、住居系地域をお望みの方。

隣接する地域が工業系地域であったりすることもあります。

「道路の向かい側は全然異なる用途地域なんて知らなかった！こんな建物がたつなんて・・・」

なんてことにならないように、購入する場合は、隣接する土地の用途地域の確認も行いましょう。

自治体によってはネットで確認できる自治体もありますし、

不明な点は、市役所の窓口等に問い合わせても良いと思います。

マンション購入の希望・条件は人によって様々です。

用途地域をきちんとチェックして、自分のライフスタイルに合ったマンション選びをしたいものですね。